Dr.インクの星空キネマ(西野の初絵本)タモリと松本零士も絶賛のあらすじと感想は?
キングコング西野の初絵本「Dr.インクの星空キネマ」をタモリや松本零士が絶賛!
お笑い芸人・キングコング西野亮廣さんの絵本『Dr.インクの星空キネマ』は、タモリさんや松本零士さんなど、各業界から絶賛されています。
この絵本は、西野さんの絵本作家としての初作品で、2009年1月26日に幻冬舎より出版されました。
西野さんはお笑い芸人をやる傍らで、空いた時間に地道にコツコツと絵を描いていき、描き上げるのに実に5年の歳月を費やしたという大作になっています。
絵本を読んだタモリさんは「僕が子供の頃から童話に感じていた疑問を解決してくれました」、松本零士さんは「心に夢が鏡のように映る、絵と物語だ!」などと、西野さんの絵や物語について絶大な評価をしています。
この絵本は、『ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス』、『オルゴールワールド』、『えんとつ町のプペル』などと違い、縦書きで、さらにオムニバス形式の4部構成になっています。
4つの話が入っているということですね。
また、2作目のクリスマスを題材にした『ジップ&キャンディ』が”白い本”と呼ばれるのに対し、『Dr.インクの星空キネマ』は“黒い本”と呼ばれています。
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4部構成のあらすじ(内容)と絵は?
『Dr.インクの星空キネマ』は、以下の4部構成になっています。
- グッドモーニング・ジョー
- 赤いハシゴ
- ドンドコ山のバケモノ
- Dr.インク
「Dr.インク」は最後の話にしか出てきませんが、星空というのはすべての話に共通するキーワードとなっているようです。
グッドモーニング・ジョー
丘の上の古い天文台に住み、一日中星ばかり見ている銀歯のおじいさんがいました。
街の少年ケンヂは、銀歯のおじいさんの存在を知り、会いに行きます。
ケンヂが質問しても、おじいさんは不愛想にしか答えてくれないので、帰ろうとしたその時です。
「星で遊んでいるんだよ」
おじいさんは不思議な望遠鏡を使って、流れ星を作ったり、星の色を変えたりと、星を自在に操る「星空コーディネーター グッドモーニング・ジョー」だったのです。
このジョーのセリフをきっかけに2人の距離は縮まって、ケンヂは毎日天文台に通うようになり、「いつか僕がロケットを作って、ジョーを月に連れて行ってあげるよ」と夢を膨らませます。
しかしある日、ジョーは亡くなってしまいます。
ジョーのいない天文台で、ケンヂは楽しかった日々を思い出し、泣きました。
そして、ケンヂがおもむろに夜空を見上げると…
この後、ラストシーンに向かっていきます。
赤いハシゴ
「ミル・フイユ」という小さな星は、土地がないため、街が縦に幾重にも重なっていてハシゴが必要不可欠でした。
長年人気の赤いハシゴを作っていた、ハシゴ屋のトキオ・ジェイコブは、リフトの開発により、ハシゴが売れなくなって悩んでいました。
ある日、青い星が流れてきて、トキオの目の前の空で止まりました。
その青い星から太鼓の音が聞こえてきて、人が住んでいると思い、その星に行ってみたいと思うようになります。
トキオは、大量に売れ残ったハシゴをつなぎ合わせ、青い星にハシゴを立てようとします。
毎日コツコツ赤いハシゴを繋げると、いつのまにか宇宙まで達しますが、太鼓の音が聞こえなくなり、「人がいなかったらどうしよう」と不安になってきます。
その時、星空の向こうからネコが走ってきて、青い星に人が住んでいることを教えてくれます。
それを聞いて安心したトキオは、さらに何年もかけてハシゴをつなぎ、とうとう青い星に到達し、青い星に住む人たちに歓迎されました。
その赤いハシゴ見たさに人が集まり、赤いハシゴを中心にビルが建ち、大きな街が作られていくのですが…
この後、その赤いハシゴは意外なものだったとわかります。
ドンドコ山のバケモノ
ある星の村はずれにあるドンドコ山に「ヤク」という恐ろしいバケモノが棲んでいました。
夜空の星が一斉に流れた不思議な夜から、ヤクは大きな音で太鼓を叩くようになりました。
村人は迷惑し、侍や漁師がヤク退治に行きますが、食べられてしまいます。
ある日、少女が届け物を持って村へ向かう途中、真っ暗なドンドコ山へ迷い込んでしまいます。
少女はヤクを怖がらず、いつも冷たい目でしか見られなかったヤクは少女に不思議な感情を抱いていきます。
少女の笑顔に触れたヤクは、目が見えない彼女のために「太鼓の音を背中に受けてまっすぐ歩けば村にたどりつける」と言って、村に向かわせます。
しかし、途中で太鼓がやぶけてしまいました。
少女が村に着くまで絶対に叩くのをやめないと約束したヤクが、その後にとった行動は…
この後、意外な結末が待っています。
Dr.インク
世界一忙しい脚本家「Dr.インク」は世界中の人々が毎晩見る夢の脚本を書いています。
Dr.インクが書き上げた夢の脚本は、専用の機械でアメ玉に詰められ、「マルタ・サンポーニャ」という、たくさんのアシスタントが世界中、宇宙中を飛び回り、眠った人の口へ放り込みます。
ある日、Dr.インクは体を壊し、寝込んでしまい、2週間ほど過ぎた頃から夢を見なくなった人々がざわつき始めました。
人々が再び夢を見るためには、Dr.インクに元気になってもらうしかありません。
サンポーニャたちは、流れ星に3回お願いして、願いを叶えてもらおうとしますが、とても3回も言えません。
そこで、サンポーニャのひとりが遠くの星に住む、ある人の元へ走るのですが…
この後、感動のラストに繋がっていきます。
あらすじまとめ・絵・感想
物語は、ほっこりする話から切ない話まで、盛りだくさんの4部構成になっています。
どれも感動できるストーリーになっていますし、子どもの優しい心や諦めない心など、心の豊かさを育てられる素敵な絵本だと思いました。
また、4つの物語すべてが関連性を持った話なので、読んでいるといろいろな発見ができて楽しいですね。
5年かけたという絵は、かなり繊細なタッチで描かれていて、キャラクターは、かわいいキャラから味のあるキャラまでバリエーションに富んでいますが、くせの強い絵も多いので、子ども受けはしにくいかもしれませんね。
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対象年齢は何歳から?感想あり
幻冬舎では、特に対象年齢を定めてはいませんね。
ページ数は140ページ以上ありますが、4部構成なので、1つあたりでみると、単純計算で35ページ程度ですね。
しかも半分ぐらいは絵なので、1つの話の文章量は実質15~16ページ程度ですね。
初作品ということで子どもをそこまで意識できなかったということがあるかもしれませんが、他の『ジップ&キャンディ』、『オルゴールワールド』、『えんとつ町のプペル』などと比べると、言葉の難易度はやや高いように感じられます。
ですので、理解しながら読むには、小学校5~6年生ぐらいからがベストかと思います。(他の3作品は、小学校3~4年生ぐらいから読めそうな内容です。)
小学校4年生の子でも読めましたし、大まかな内容は理解していて、ストーリーも良かったということでしが、わからない単語も多いようで、やや難しかったという感想も出ていましたね。
また、「死」というものを露骨に表現している部分もあるので、大人向けとも言えるかもしれませんが、大人が読むにはややオチが読みやすいストーリーとなっていますね。
実はこの絵本、絵に関しても、文章に関しても、批判も多い絵本でもあります。
著者のアンチが多いことに加え、初作品ということもあり、対象年齢など手探りな感じが見受けられ、以後の作品と比べると完成されていない感じは否めません。
好き嫌いは分かれるところですが、個人的には4つの話でいろいろな感情を育むことができると思いますし、他の絵本とは一線を画しているので、こんな絵本があっても良いと思えるような一冊と言えますね♪
『Dr.インクの星空キネマ』の基本情報
著者 | 絵・文:にしのあきひろ |
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出版社 | 幻冬舎 |
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