クリスマスを探偵と(伊坂幸太郎の初絵本)のあらすじと感想、対象年齢は?

クリスマスを探偵と

伊坂幸太郎の初絵本「クリスマスを探偵と」が話題に!

小説家の伊坂幸太郎さんの初めて絵本を出版したということで話題になっています。

タイトルは『クリスマスを探偵と』(河出書房新社)。2017年10月26日に発売されています。

この作品は、伊坂さんが大学1年生の時に書いた処女短編小説を書き直し、絵本化したもののようですね。

クリスマスを探偵と
出典:http://www.kawade.co.jp/christmas_isaka/

伊坂さんと言えば、映画化もされている『アヒルと鴨のコインロッカー』『ゴールデンスランバー』など、多くのミステリー作品で有名な作家さんですが、今作品にもそういったミステリー要素が盛り込まれた作品になっています。

絵はフランスのバンドシエネ作家マヌエーレ・フィオールが担当しています。

どんな内容?あらすじをご紹介!

舞台は中世の街並みが色濃く残る童話のような町、ドイツのローテンブルグ。

クリスマスを探偵と
出典:http://www.kawade.co.jp/christmas_isaka/

主人公は探偵。探偵カールがクリスマスイブに、たるんだ腹の五十過ぎの男を尾行し、浮気調査をしているというところから物語は始まります。

クリスマスを探偵と
出典:http://www.kawade.co.jp/christmas_isaka/

調査対象の男が、投資家の中年女性の豪邸へ入っていくのを確認したカールは、しばらく出てこないだろうと公園で休憩することにします。

公園で若い男に声をかけられ、探偵であることを見透かされて、とても驚きます。

カールは浮気調査をしていることを男に話し、その後ドイツ統一やワールドカップなど、いろいろな話をし、クリスマスやサンタクロースの話へ展開していきます。

クリスマスを探偵と
出典:http://www.kawade.co.jp/christmas_isaka/

「嫌な経験があるんだ。」

カールは、クリスマスに嫌な経験があることを明かし、男はこう聞き返します。

「よければ僕に話してみてくれませんか。」

カールは、父親が常に機嫌が悪く、母親に当たっていたことや、浮気の気配があったこと、家が裕福でないのに、クリスマスに高い自転車を頼んだことなどを話し始めます。

クリスマスを探偵と
出典:http://www.kawade.co.jp/christmas_isaka/

クリスマスプレゼントをもらうことはできたが、父親が母親の大事な指輪を売って自転車を買ったことに母親が激怒している姿を見て、その後家を出て探偵になったことを明かします。

さらに、今尾行している男が“カールの父親”であることも明かします。

「こじつけ、というのは嫌いでしょうか?」

男はカールに「可能性のゲーム」を持ちかけます。

「カールさんのお父さんが、本当のサンタクロースだと考えたら、どうでしょう?」

…と、男のこのセリフから物語は急展開していき、クライマックスに進みます。

そして、最後には心温まる2つのどんでん返しが待っています。

上に書いたあらすじからおそらく想像できないラストになっているので、そこは是非読んで確認していただきたいところですね♪

感想・レビューは?

リアルとファンタジーとミステリーを絶妙に掛け合わせたような内容で、とても面白い内容だと思いました。

ミステリー作家の伊坂さんらしく、登場人物の正体や行動が徐々に明らかになっていき、後半になるにつれて、どんどん引き込まれいきましたね。

華やかなクリスマスらしさはないですが、最後に2つのどんでん返しもあり、心温まる展開で、とても優しい気持ちになれます。

また、職業柄ネガティブな思考を持つ探偵カールの感情が、公園にいた若い男によって、解きほぐされていく描写が、心理学的で面白いです。

個人的には、かなり良い絵本だとオススメできます!

他のサイトのレビューを見てみると、「絵がしっくりこない・違和感がある」というような意見も多いようですね。

80ページぐらいあり、絵本としては大容量ですが、全体的に絵は少なめで、挿絵程度といった感じなので、小説感覚で読めば、そこまで気にせずに読めるかと思います。

また、話の展開や構成が、ややサンテグジュペリの『星の王子さま』に似ている感じもしました。『星の王子様』が好きな方は、この話もきっと気にいると思いますね♪

対象年齢は何歳から?大人の女性へのプレゼントにも!

「かつての子どもたちへ これからの大人たちへ」

表紙のコピーにもあるように、この絵本は大人向きですね。

浮気調査で男を尾行している探偵が主役という前提があるので、あまり子どもにオススメできる絵本ではありませんね。当然、読み聞かせにも不向きです。

「これからの大人たちへ」とも言っていますが、せいぜい高校生以上からといった対象年齢になるんじゃないかと思います。

後半だけであれば、子どもにも読ませてあげられるような心温まる内容なのですが、ややヘビーな導入があるからこそ、後半の展開とのギャップが大人には刺さるのかもしれませんね♪

既婚男性の方から奥さまへ、指輪と一緒にプレゼントすると、とてもオシャレだと思いますよ☆(ややネタバレ感はありますが^^;)

『クリスマスを探偵と』の基本情報

クリスマスを探偵と

著者 文 伊坂幸太郎/絵 マヌエーレ・フィオール
出版社 河出書房新社

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